こんにちは。別府優子です。
当院では、定期的に院内勉強会を行っています。
『患者さん情報の共有』『歯周病治療について』『コミュニケーション方法』など、テーマは様々ですが、どれも、明日からの診療に役立てるためのモノです。
今週のテーマは『tooth wear』 日本語で『酸蝕症』
虫歯でなく、酸性の食べ物や飲み物で歯が解けていく、といったものです。
わかりますか? アイスクリームをスプーンですくったような滑らかにえぐれた部分がtooth wear(酸蝕症)です。
これは、生活習慣病の一つです。
以前、tooth wear(酸蝕症)は職業病だといわれていましたが、現在は、飲食物(特に飲み物)が酸性のモノが多く、歯を溶かしてしまっています
エナメル質が溶け出すのがpH5.5といわれていますが、上の図のようにほとんどの飲み物がそれ以下の酸性度です。
少量飲む分には、唾液の緩衝能で中和してくれますが、日常的に『チビチビ・だらだら』飲むと、歯は溶け出してしまいます。
スポーツ中のスポーツドリンクも、飲んだ後、運動で口の中がカラカラになり、一層溶解が進みます。
もちろん、熱中症などの関係から、スポーツ飲料は良い面もあると思います。
でも、こうした良くない面もあることを知った上で、日常の中に取り入れていったほしいと思っています。
他にも、『健康のためにお酢を毎日飲んでいる方』『炭酸が大好きな方』などは要注意です!
今回は【tooth wear の外因的要素】についてお話ししました。
次回は【tooth wear の内因的要素】についてお話していきます。